私たちはつねづね「一般登山道はスポーツクライミングよりも危ない」と考えています。
なぜかというと、スポーツクライミングは転落したとき用の確保支点が終了点や中間支点として整備され、ロープで確保されたうえでチャレンジすることができます。
いっぽう、一般登山道では相当危ないところでも、立ち木などの確保支点もなく(そうするとロープを出しても無意味)、無策無防備で突っ込むしかない場所が日本の全山域に散在しています。
鎖場もロープ場も、ふつうは自分の手足だけが頼みとなる危険な場所ですが、せめて鎖場ではフィフィを使うことで、手足を休めたいと思うときに休ませてあげることが「いまもっとも簡単にできる転落予防策」だと考えています。
さて、フィフィを使うのはこのように事故予防のためであり、事故がおきたときの安全システムとしては機能しません。
しかし、事故予防こそ、万一の事故対処に先駆けて実践することで、少ない労力で大きな効果を発揮します。
フィフィを使って事故予防することと、事故でケガした人を救出して下山することを較べれば、いかにムダない効果があるか、ご理解いただけるはずです。
転落や滑落でどれくらいの衝撃が人体に加わるのか、をざっくりと理解しておくことも大切です。
衝撃力の算出に関わる要素は次のとおりです。
・落下した人の体重+荷物の重さはどれくらいか
・何メートル落下したか
・落下した人に制動をかけてから完全に止まるまでの距離はどれくらいか
・何メートル落下したか
・落下した人に制動をかけてから完全に止まるまでの距離はどれくらいか
それぞれの要素を代入して簡単に計算できるサイトを見つけました。
http://www.02320.net/free-fall_velocity-and-impact/
前半に意味不明の漫画がありますが、スクロールして
自由落下の速度計算
衝撃力を計算する
のふたつの計算式を使ってみると……
・体重+荷物あわせて70kgになるひとが
・30cm自由落下しただけで
・フィフィとスリング・人体に約418kg(4100Nつまり4.1kN)の力が加わる
という結果になることがわかります。・30cm自由落下しただけで
・フィフィとスリング・人体に約418kg(4100Nつまり4.1kN)の力が加わる
こうした衝撃力の計算をしてみると、フィフィとスリングを使ったシステムの「強みと弱み」がご理解いただけると思います。
フィフィの強度が4kNなら、もし転落するとフィフィが破断し、さらなる落下に繋がる怖れがあります。
人体も、スリング全体に400kg近い力が加われば、痛いどころかどこか骨が折れてもおかしくないです。
質量1kgのものを1m/秒ずつ加速させる力です。
ふだん目にするものはこのなじみが薄いニュートンで表すこと「も」できます。
ちなみに質量1kg(kgf)の物体は9.81ニュートン(N)。
ざっくりと1000gで約10Nだから1Nは100g、ついでに1kNは100kg。
これ、山道具屋さんでクライミング用品に表示された強度をみるのに、とっても役立つのでぜひ覚えてください。

実際には、転落のときに自由落下になるのは、崖の上からまっさかさままたは宙づりになった時などでしょう。
フィフィを使う私たちの活動では、おそらく岩場をずり落ちることになるので岩とからだの摩擦がダイレクトな衝撃力を弱めてくれますが… 転落がもたらす破壊力はよく知っておいてください。
ご不明なことは遠慮なくお尋ねくださいね。
【上記検算する+別数値で試算したい人は以下へ。】











